あんなにも焦がれていたのに
あんなにも『彼』との再会を望んでいたのに
俺は『また』憎しみを抱いた___


両親を殺されて、友人を失って・・・・・・
それでどうしてあんなふうに笑っていられるのか
どうして俺だけが『また』・・・・・・

真実を知ったときの『彼』の表情が見たくなる
真実を知ったとき、どれほど歪むのだろう

楽しみで仕方ない。


ねぇ、いつまで綺麗でいられるの?



囲まれた闇




「何?」
「だから、オーブが何故俺たちをここにいれたって理由。
オーブは『なかった』ことにしたいんだよ。
プラントの方は盗まれたものだから、仕方ない。あちらも盗んだのだから、公にオーブのものだと言わないだろう。
だが、こちらは地球軍が頼んでいたものだ。いくら一部のものの暴走といっても、これがあちらに渡れば、オーブはもう戦争に参加したことになる。
後戻りはできない。
それだけはオーブは避けたいんだ。こんな形で、平和を理想を翳していた国が巻き込まれるのはごめんなんだよ。
だから、俺たちをここへ招き入れた。」

飄々とそう語るケイにフラガは眉をつい、と片方上げて言った。
最近のケイに対する仕草がいつもこうなってしまうことはフラガも自覚しているが、半ば仕方のないことだとそう思っている。

「何がいいたい。」
「俺たちをここから一歩も出さず、AAとガンダムを壊せば、何もなかったことにできる。
俺たちが入ったことは一般市民は知らない。いくらでもシラを通しきれる。
『一部の技術者が勝手にしたことだ。もう、自分達で処理したから、そのことはないことに』とできる。もちろん、こんなことは言わずにシラを通すのだろうが。
証拠はないからな。
プラントのものだって、地球側には本当にオーブのものかなんてわからない。
プラントが盗んだ、と公表して、そのガンダムがオーブのものだとでも公表しない限り。
でも、あちらさんは盗んだことやヘリオポリスのことを突っ込まれるのが嫌でそう簡単公表しないだろうから・・・・・・」
「つまり、俺達は殺される、と言いたいのか?」
「まぁ、俺がオーブの代表だったらそうするね。
いくら理想を掲げていても、力がなければ、それは叶わない。
いくら理想を掲げていても、闇の部分がない国などありえない。
国には闇と光の両方があるに決まっている。
そうだろう?」

肩をすくめて賛同を求めれば、相手は顔をしかめただけだった。
匿ってくれたなどと素直に喜ぶサイたちとは違って、裏があると思っていたフラガだが、ケイの言葉通りだとすると少々状況は芳しくない。むしろ悪い。
オーブ代表の娘の顔を思い出し、あそこまで真っ直ぐに育てた代表を思うが、会っていない相手を分析しても直感で決めるフラガには役に立たない。

「・・・・・・俺達は、のこのこ殺されるためだけにきたってのか?!」
「このまま地球軍に届けるなら、そうかもね。」
「何?」
「どうせなら、このままオーブに止まればいい。」
「は?」

に、とケイが含んだ笑いをした。
こんなとき、いいことが起こったことはないとフラガはこれまでの経験で知っていた。










重厚な机がバン、と叩かれ、上に積み重ねられた書類がいくつか床に落ちる。
だが、叩いた本人はそんなことを気にすることもなく、他のものたちを見渡して言った。
机を叩いた手が、じりじりと焦りを煽るかのように熱を持つ。

「そんな馬鹿げたことがあるか!
我々はこの二年、犠牲を出さない為にしてきた!
この戦争の和解を探ってきたのは、犠牲を出さないためではなかったのか。
それなのに、我々がその戦争の犠牲をつくるなど・・・・・・本末転倒ではないのか。」

会議において、少し激昂してしまったと気づいたのか、その男は散らばった書類はそのままにその身を厚い椅子に埋める。
その顔は険しく、前方の提案者を睨みつけるような鋭い瞳を持っていた。
提案者は多分な焦りを顔に浮かべ、睨み返すような眼力で持って叫ぶ。

「アスハ代表のおっしゃることもわかりますが、アレがあちらに渡れば、我々はもはや言い訳も出来ずに地球側として戦争に組み込まれてしまいますぞ?!」
「だからといって、彼らを皆殺しにするなど!
それが我々の国家だったのか?!違うだろう?!」

そう言えば、アスハ代表支持者は難しい表情で頷く一方で、提案者に賛成の男がいらいらしたような声で意見を述べた。

「しかしですな、もうこうなった以上は仕方ないでしょう。彼らも軍人です。
そう簡単に国を裏切れまい。」

その言葉にざわりと会議室が揺らぎ、あちこちで相談しあう声が聞こえ始める。
「だからあんなのをここに入れるのは・・・・・・」「大体何故あんなものに代表の養子が・・・・・・」「今までの国の理念を壊すのか。」「いやしかし状況が状況なだけに仕方あるまいに。」などと様々な言葉が聞かれる。
目を瞑っていたアスハ代表は、苦しげに目を瞑ったまま、妥協を提案した。

「・・・・・・彼らを、せめて監禁で生かしておくことはできないのか。」
「それは危険です。彼らは軍人ゆえに・・・・・・」
「そこまでオーブのセキュリティが信じられないか。」
「いえ・・・・・・ただ・・・・・・
わかりました。彼らに生死の選択を与えましょう。

これから、オーブで拘束されながら生きるか、軍人として死ぬか・・・・・・」









インパルスはガンダムだ。
オーブからの技術者が設計したらしい。
個人的であり、それは国に命令されたことではないといった。
だが、このことは使えると、プラントはひっそりと笑ったに違いない。

そのことをケイが知るはずもないが、ケイのオーブ脱出計画にはそれが大きく関わっている。
ケイは砂漠に落下したときにロックしたファイルを開き、マリューらに見せた。
そこにはインパルスガンダムが映っている。多少異なるタイプのようだが、確かにストライクなどと同じような構成のモビルスーツだとわかった。

「だから、オーブから出るにはこの映像を上げればいい。
そうすれば、オーブは地球にもプラントにも同じ技術を与えたとして、再び中立の立場を守れる。」
「オーブにとってはな。」

その言葉にケイは珍しく頷いて、周りの人を見渡すと言った。

「プラント側から見ると、プラントはオーブは地球と組んでいるとして、オーブを攻めて占領するつもりだけど、オーブのこの戦力ではそうそう思ったようには制圧できない。
地球にAAを渡したくないのもわかるけど、ここはひとつ、プラントのためにはこの映像を渡した方がいい。」
「プラント側の見解はあまりこの際関係なくないか?」
「まぁ、待って、参考にだよ。
そして、地球側にとっても、早くAAとガンダムを手に入れたいはずだ。というか、この技術を手に入れたいんだろうけど。
オーブが地球側に傾くのも大事だけど、どうもそうは言ってられないようだ。
プラントがオーブを攻めれば、もしかしたらすべてを失ってしまうかもしれない。
その前にどうしてもオーブからの返事か、AAとガンダムが欲しい。
オーブは相変わらず渋るばかりで、返事をくれない。
だから、地球も焦って、これだけでも、と思っている。

地球にとってもオーブにとっても、この映像でまたオーブが中立に戻るのがいいんだ。」

プラントにとってもね、と内心付け加えるのは忘れないケイだ。
他の皆はケイのとった画像とにらめっこをしながら、色々と考えをめぐらしているようだったが、結局はケイの意見に賛成するほかないようだった。









「エンジンに損害を受け、仕方なくAAは領域に落下した。
そんな無理やりなシナリオってありなんですか。」
「戦争なんて帳尻が合えば結局なんだってOKなんだよ、坊主。」

坊主ってたったひとつ年下のだけじゃないですか___そう言って怒るシンをからかうディアッカ。
その隣ではイザークが渋い顔でまずいことに変わりはない、と呟く。それに頷くニコルとキラ。そしてアスラン。
どこか居心地の悪さを感じているレイに、からかわれるシンを呆れた様子でみるルナ。
つまりは紅服全員が集まっていた。

「かくまっていることは確実じゃないですか。どうして出ないんですか?!隊長!」

以前ならイザークが言っていただろう言葉をシンがクルーゼに向かって吐いた。
クルーゼは至って平然とコーヒーをすすり、笑った。

「相手はオーブだ。最も慎重に交渉を行わなければならない相手だ。
そうだな、やはり情報が足りない。
君たちにはオーブに潜入して証拠を見つけてきてもらおう。」
「・・・・・・そんなの諜報員がやることじゃないですか。なんで俺たちが。」
「上に立つなら知識はあればあっただけ損はしない。それとも自信がないかね?」

そう聞かれれば、頷くしかあるまい。
シンは渋々ながらも了承の声を上げた。







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05.6.2
あとがき
す、進まない・・・・・・汗。
てか、かなり途中ふっとばしました。