Stand by me
選ばせてやる
今こいつが必死に守っている者と自分をはかりにかけさせて
選べよ
そうでなきゃ、認めない
「そんな中途半端な覚悟で守りきれると思うな。
そんなに戦争は甘くない。」
お前のその矛盾をなくせば、楽になれるんだろう?
「・・・・・僕は・・・それでも・・・・」
守りたい、殺したくない。
これは矛盾?戦場で許されないこと?
「お前のその矛盾が、人を殺す。」
自分を追い詰めるその瞳を初めて認識した。
鋭いアイスブルーの瞳。
それはとても澄み渡った空のように綺麗で。
おかしいじゃないか
おかしいじゃないか
そんなの変じゃないか
守ることは決して殺すことと同義になるはずがない。
「僕には、選べない」
「選ぶしかない」
「選ばない。
諦めたら、そこから先に進めない。」
人を殺すことを仕方ないと諦めたら、僕はこれまでの自分を否定することになる。
そして、時間はきっと戻らない。
一度諦めたら、ずるずると底へ引き込まれてしまう。
そしたら戻れない。
守りたいんだ。守りたい。
守るために代償が必要ならそれは僕でいい。
「お前は馬鹿だ。
そうして、これからも傷ついていくのか、自分ではなく他人のために・・・・その涙を流すと言うのか?その血を流すと言うのか?
馬鹿にもほどがある!」
わかっていた。選べやしない。目を見ればわかる。
汚れない、透き通った瞳。
それを羨ましいとも思う。
こんなにぼろぼろになるまでに誰かのためにつくせることがひどく、羨ましい。
そんなの、馬鹿らしいと思うのに、ひどく、憧憬してしまう。
そんな思いは知らない。
「僕は選ばない。選べない。
矛盾していても、僕には・・・できない。」
きっと、最後の最後までこんななんだろうな。
結局ぎりぎりになるまで選べない。
そうなんだろう?
こんな細い腕なのに、その力は強く
こんな今にも壊れそうな精神なのに、その芯は堅く
だからだ。
矛盾を抱えたお前だからこんな思いになる。
こんな思いは知らない。
だが、この胸は俺の中で大きく主張して、無視できそうもない。
「お前、名は何という?」
「・・・・・聞いても仕方ないよ。
敵を知れば知るほど辛くなるだけだから。」
背けた顔は哀しみに歪んでいるのに美しく、ますます追い詰めたくなる衝動をこらえる自信はない。
「俺の名はイザーク。イザーク・ジュールだ。」
「・・・・どうしてっ・・・!」
「お前は俺を知らなきゃならない。
そして、俺はお前のことが知りたい。」
「・・・・・・・なぜ?」
「忘れさせたくないし、忘れたくないからだ。」
あまりにも真剣な眼で見詰めるから・・・・あまりにも綺麗な目で見詰めるから・・・
「・・キラ・ヤマト・・・」
「キラか。気に入った。お前もイザークと呼べ。」
「やだ。名前は呼ばない。・・・・・辛い。」
予想通りの反応にイザークはほくそえんだ。
「呼べるようにしてやる。」
そう言うと、イザークはキラの首筋に唇を近づけて、印を残した。
そう、もっともっと刻め
俺という存在を
忘れようとしても忘れられないくらい
泣いてもわめいても消えないくらい
ずっとお前の心に棲みついてやる。
「あっ・・・やだ・・・って・・・・・・・」
「じっとしていろ。」
涙で歪む視界にはあの綺麗な瞳が見えて、こちらをじっと見据えている。
手はキラ自身を握り、舌は胸を集中的に攻撃する。
だが、瞳は挑発するようにきらりと輝いている。
どうしてこんなことになったのか
キラはわからずに混乱する。
混乱して、翻弄されて、また混乱する。その繰り返しだ。
「どうして・・・・・あっ・・・こんな・・・」
「気に入った。他にどんな理由が欲しいんだ?キラ」
「うぁっ・・・・・」
名前を呼ばれたと同時に強く握られて、キラは答えられずにうめいた。
そのまま、答える隙を与えずにイザークはキラ自身に刺激を与え続ける。快楽に慣れていない体はすぐに悲鳴をあげ、どうしようもないところまで張りつめてしまった。
「キラ・・・・ほら、言わないとわからないだろう?」
「あぅっ・・・・んふぁ・・や・・もう・・・」
「ふん?理由よりも欲しいものがあるのか?
なぁ、キラ、わかっているだろう?」
「もう・・・・げんか・・・い・・・もう、どうにかして」
「どうして欲しい?擦って欲しいのか?それとも咥える?
なぁ、言えよ、キラ」
急速に高められた身体だが、最後の刺激がなく、いこうにもいけない焦らされた状態で、キラはすでに思考も危うい。
イザークの手に擦り付けるように腰を揺らしてしまいそうになるのを必死で抑える。
「・・・イザ・・・ク・・・おねが・・」
してやったりと口元をほころばせたイザークは望み通りにキラに最終的な刺激を与え始めた。
「ああぅ・・・!・・あっ・・・イザーク!____っっ!!」
一度呼んだことで制止力を失ったのか、キラはまたしてもイザークの名を口にして、果てた。
己の名を呼ばせたことでとりあえず満足したイザークはさらに手を進める。
「本当はもっとじっくりしてやりたいが、時間がない。
少しきついと思うが、いい思いはさせてやるから心配するな。」
もっとも、男は初めてだが・・・・そう言ってキラの後ろへと手をかけた。
キラは誰の手にも犯される事のなかった部分に手をかけられ、反射的に逃げようとする。
が、イザークがそれを許すわけもなく、逆に引き寄せられて中に入っていた指も自然と深くに入り込んだ。
「うあっ・・・やだ・・・抜いて・・・」
男なら当然いきなり快楽を感じるはずもなく、ただ異物感と不快感とがキラを苛む。
「キラ・・・・大丈夫だ」
イザークが優しく耳に囁きかける。その手は容赦なく動いてはいたが。
何を根拠に・・・・そう言おうとした口からは予想外の感覚に叫びしか出なかった。
「あっ・・・・・?・・」
「ここか・・・」
指が当たった瞬間にわけのわからない痺れが身体をめぐった。
ようやっと見つけたポイントをイザークが見逃すわけもなく、そこを重点的に攻め始める。
「ああっ・・あっあっ・・・あぅっ・・」
自分でも説明のつかない感覚にキラはどうすることもできなくて、ただ生理的な涙が流れ出た。
「すべりが足りないか?」
問いかけのはずなのに、キラが答えるよりはやくイザークは指を抜き、キラ自身にそれをからめた。
「ああ!!」
その瞬間びくりとキラの身体が跳ねる。
その過敏な反応にイザークは眼を見開いたが、そのうちに口端をあげる動作に変わった。
充分に刺激を与えて、先走りのものを指にとると、それをキラの後ろに塗り込めるように指をいれ、そして抜く。それをニ、三度繰り返し、イザークは充分なしめりを感じるとまた指でキラの後ろをもて遊び始めた。だんだんと増やされていく指に、キラは翻弄される。
「あぁっ・・・・もっ・・イザーク!!」
もうすでに後ろの刺激で達しそうなほどになったキラは耐え切れずに悲鳴をあげた。
「もう・・・いいか。」
何がと聞く時間もなく、キラは悲鳴をあげることとなった。
「あっ________っっ!!」
声にならないほどの痛みがキラに襲い掛かる。異物を排除するための凄まじい締め付けに、イザークはうなった。
「う・・く・・・狭いな・・・」
「うぁ・・・あ・・ぁ・・・」
キラは何も聞こえない。
ただただあつい熱が体中を回り、痛みが身体を走る感覚しかわからない。
何がどうなっているのかさえ、確認できずにいた。
無理やり侵入してくるイザークに制止の声さえ出せない。
「あつっ・・・・痛っ・・・・い・・・」
入る最中にすべりが良くなったのを感じて、イザークは血が出たことを予想する。そして、血の匂いが鼻をつくと、顔をしかめた。
「大分、入りやすくなったが・・・・キラ大丈夫か?」
「そ・・んなわけ・・・・・な・・」
イザークは苦笑を返すが、今更止めようとは思わない。
すでになまめかしい姿態を見せつけるキラに酔い始めていた。
「キラ・・・・力抜け。お前が痛くなるぞ。」
「できな・・・・いっ・・・・!」
イザークは少しでも痛みを紛らわせてやろうとキスを仕掛け、片方の手をキラ自身にからませた。
キラの意識がそちらにいくようにゆっくりと愛撫する。それにあわせて楔を進めていった。
「んんっ・・・・・んっ!んんっ!・・・・ふぁ・・」
キラは必死で痛みを訴えてくるが、それを無視して進める。
「・・・・ふぅ」
とりあえず全部入ったな・・・・
少し安心してキラを見ると、その姿態にイザークは反応するのを抑えられなかった。
頬は涙で濡れ、唇はさきほどまでキスしていたせいか艶めかしく光を反射し、力なく放りだされた手足はぞくっとするほど白く見え、しかし、快楽でか少し赤く染まっていた。
「あっ・・・何?」
イザークが中で大きくなったのを感じ取ったのだろう。キラは戸惑いの声をあげた。
「悪いな。手加減はできそうにないぞ。」
そう言うと、イザークはキラを弄びつつ、腰をグラウンドさせはじめた。
「あぁあっ・・・・・イザ・・ック・・あっ」
イザークは喜びを感じていた。キラと一体化できる喜びに。刻み付ける喜びに。
わかっている。
自分と同じように悩み、自分とは違う答えをだした彼に嫉妬していた。
その矛盾が欲しかった。与えて欲しかった。
そして、自分を刻み付けて欲しかった。その心に。
だから、抱いた。
でも、今はどうだ?発情期のオスのように興奮し、キラに酩酊している。
欲しいと思ってしまった。この美しい個体を。
「い・・・・あ・・・」
眉を寄せて喘ぐその姿は火の光を浴びて幻想的に浮かび上がり、イザークを刺激する。
イザークの切りそろえた髪は乱れ、その前髪から挑発的な瞳が覗く。
キラはそれから眼が離せない。
その瞳に殺されてもいいとさえ、思った。
美しく冴え渡る月を連想させる、澄み切ったアイスブルー。
『俺はお前が憎い』
「・・・あ・・だったら・・・うぁ・・殺して・・僕を・・あんぅっ!」
「キラ?」
キラの腕が初めてイザークの背中に回される。
「貴方の手で」
突然のキラの告白にイザークは眼を丸くし、にやりと笑った。
「代わりに犯してやる。」
止まっていた動きを再開して、もう何も考えられなくなるくらいにキラを突き上げた。
何度も何度も。
その度にあげるキラの甘い声にイザークは酔う。
もう何もわからない。
理由も。原因も。
ただ、お前が欲しい。
“イザー・・・ク・・・・ザーザー・・・える・・か?”
「ん・・・・?」
通信機から声が聞こえる。相変わらず雑音が混じって入るが、確かにこの声は・・
「ディアッカか?」
“お〜・・ザーザー・・っと通じたぜ。・・・・ザーザー・・信号・・は・受け・・た”
「・・・・・・」
“今・・・から・・ジジッ・・・行く・・・ザーザー・・ピッ”
「・・・・・タイムリミットだな。」
朝日も昇り始めている。
キラの方も捜索をしていればそろっとくる頃だろう。
とりあえず、キラの寝ている岩場にいこうとイザークは地面に降り立った。
「イザーク!」
そこにキラがいた。
イザークはわずかに眼を見開く。
目指していた岩場から近い位置にあるここにキラがいてもおかしくはない。
しかし、イザークが反応したのはそういう問題ではなく、単に、キラの朝日を浴びる姿に目を見張ったのだ。
身に付けているのはイザークの赤い上着のみ。それを肩にかけて、前を手で抑えているだけだ。
その上着から伸びるすらりとした手足は情事の後だからか、いやに艶めいて見える。
さらさらと光を浴びる茶髪は光と混じってさまざまな色を映し出す。
泣いた跡がくっきりと残ってはいるが、その原点の瞳にはもう揺らぎはなく、隈一つないアメジストがそこにあった。
「行くの?」
声は少しかれていたが、よく響いた。
「ああ。お前の迎えもくるんだろう?」
「・・・・ストライクのために、かな?」
「ふん、お前に決まっている。それだけの価値がお前にはある。
できれば俺が持ち帰りたいくらいにな・・・。」
自嘲気味に放つイザークにキラは眼を細めて問うた。
「何故・・・・殺さなかったの?」
「・・・惜しかった。
いっただろう?俺はお前が気に入った。それだけだ。」
「・・・・・・・憎んでいたんじゃないの?」
「憎んでいた。だが、それ以上に、気に入ってしまった。そういうことになったんだろう。」
自分でも説明になっていないような気がして、憮然とした面持ちになったが、それを見てキラは笑った。
「ありがとう」
「?」
「僕は貴方に会えて良かった。
なんだか、気持ちが整理できた気がする。
まだ、矛盾はあるけれど・・・・それに、思い切り泣いたら、すっきりした。」
キラはそうして綺麗に微笑んだ。
それに見惚れていたイザークはそれをごまかすように、言う。
「・・・・・そうか、なら、また泣かせてやるよ。
鬱憤たまったら、俺のところにこい。」
「え・・・・・?」
意味を理解したキラの頬が朝日のせいではなく赤くなる。
それを笑って、イザークは声を張り上げた。
「側に来い。
俺の側に。
戦争が終わったら、迎えに行く。」
「・・・イ・・ザーク?」
目を見開いたキラにイザークは苦笑して、近寄っていく。
呆然とそれを見ることしかできないキラは、近づいたイザークに抱きしめられた。
きつく、きつく。
「キラ・・・」
囁かれた声は絞りだしたような声で
「イザーク・・・」
キラも、抱きしめ返した。
「だから、生き延びろ。キラ」
びくりとキラは身体を強張らせる。
それをイザークは眼を細めてみやって、キラから離れた。
彼が今着ている軍服に手を通さないのはわかっている。乾いた地球軍の軍服を渡した。
それを受け取って、キラは赤いザフトの軍服をイザークに渡した。
「じゃあ・・・・イザークも・・・生きて」
「ああ」
“ザーザー・・・お、近いみたいだな。雑音がない・・・・ザー・・もう少しでつく。”
「おい、ディアッカ」
“あ・・?”
「俺の傷は一生消せないようだぞ。」
“は?何だって?よく聞こえな・・・・ジッ・・”
通信を切る。イザークはゆっくりとシートに身体をうずめた。
『貴様を倒すまで、消さないと決めた。』
03・4・29
あとがき
せ、性格がちがう。いいんです。こんなイザークが書きたかったから。いいんです。自己満足です。なんか話もまとまりがない感じに仕上がってしまった。(泣)でも、言わせたいセリフも混ぜたし。満足です。言わせたいセリフ、わかったでしょうか。さがしてみてください。
前回稚拙だとか書きましたけど、これ見たら今のほうが稚拙かも、と反省いたしました。(汗