絡まった視線の先からでさえ熱が与えられるようで。
そんな熱に耐えるように瞳を閉じた。
どこもかしこもが熱い。
このまま二人、この輪郭を壊して交じり合えたらいいのに・・・・・
自分と相手の境目など無くしてしまえればいいのに・・・・
そうすれば離れることも失うこともなくてすむのに______
輪郭
くすくす・・・・
「くすぐったいよ。イザーク」
「大人しくしていろ。キラ」
唇から始まって、瞼に鼻先に頬に耳朶に首筋に・・・・・様々なところに落ちてくる柔らかなキスのむずがゆさにキラは身をすくめる。
それは身体の感覚だけではなくて、会いたくて会いたくて仕方なかった彼がいてくれる。それだけでキラの中にどこかくすぐったいような、幸せな気持ちが生まれる。
優しく優しく触れるイザークの唇の感触が気持ちよくて、キラはイザークに身を委ねる。
まるで壊れ物を扱うかのような彼の優しく繊細な仕草に、キラはなんとなく込上げる笑いを抑え切れなくてくすくすと笑ってしまう。
「キラ・・・・」
自分を呼ぶ声の心地よさにキラは酩酊する。
この響きが欲しかった。
彼に会ったあのときからずっと夢見ていた声。
自分を呼ぶその優しく甘い、そして少し低い声。
誰にも真似などできないその呼び方。
「もっと・・・・イザーク、もっと呼んで・・・」
その子供のような言い方にイザークは少し笑って呼ぶ。
「キラ・・・・キラ・・・」
「イザーク・・・・」
柔らかく柔らかく、まるで羽がふわりと舞い降りるかのような優しさでイザークはキラの身体を愛撫する。
「んっ・・・・」
ちり・・とした痛みを首筋に感じてキラは目を開ける。そうすると痛んだところにキスを与えるイザークの銀髪が揺れて、思わず微笑んだ。
その小さな痛みもキラにとっては酔うためのひとつとなって。
「あっ・・・・ん」
イザークの唇が胸の頂きに達する。丁寧にキスして舌を這わせる。その優しい動作が焦らしているように感じて、キラは身をよじる。それを戒めるかのようにもう片方の頂をイザークは手でころがす。
「んあっ」
くすっと笑うのが聞こえて、
「相変わらず感度がいい」
余裕しゃくしゃくのイザークの声にキラは少しむっとした。
それが顔に出てしまったらしく、イザークはキラを見て笑って、
「褒めたんだぞ?」
「・・・・・いじわるだ」
そう言われたら何にも反論できないじゃないか。
ただ、イザークの笑った顔がどうしようもなく綺麗で、なんとなく恥ずかしくなって顔を背けた。
耳まで赤くなったキラにイザークはまた笑って、
「どうしようもなく可愛いな、お前は」
「何言って・・・あっ・・うん・・・」
「そこまで誘われたら応えるしかないだろう?」
「んっ・・・さっ誘・・・?あ・・はっ」
イザークの言葉に煽られながらキラはイザークが触れる度に身体を震わせる。
イザークの手が下肢に及ぶとキラは恥ずかしげに身を捩り、顔をあらぬ方向へとやる。そのあからさまな行動に、イザークはやはり可愛いと思う。
「ああっ」
中心をやんわりと握られて、キラの身体が跳ねる。
ゆっくりと擦り上げるイザークの手の動きに熱がそこにじわじわと集まっていくのを感じる。
「イッ・・・ザーク・・あ・・・・やぁ・・」
「キラ・・・」
焦れるその動きにキラは知らず腰が揺れる。
熱が集まったそこへの丁寧すぎる愛撫にキラは物足りなさを感じてしまう。
「イザーク・・・」
もっと・・・・激しく・・・・なんてそんなこと言えるわけも無い。ただ、イザークを訴えかけるような目で見るだけだ。
「何?キラ?」
にやりと口端を上げたイザークはどうやらキラの求めていることを知っているのだろう。しかし、あえて口にもしないし、行動にも移さない。
ゆっくりと優しくキラを追い上げるだけだ。
「キラ?どうした?」
「イザーク・・・・・」
今度はじっと恨むような目線を投げる。が、イザークはそれを綺麗に無視して、
「キラ、何をして欲しいんだ?」
わざと優しく問い掛ける。赤く染まった顔でなにを期待しているかなんてわかりきっているのに、それでもイザークは与えようとしない。
キラに何がなんでも言わせたいらしい。
しかし、それにもキラは首を振るばかり。
仕方ないとばかりにイザークはキラ自身にことさらゆっくりと口付ける。
「ひあっ・・・・」
敏感なそこはすぐさま反応を返す。その反応に気をよくしてイザークは口に含んで舌をそれに這わせた。一つ一つの血管を繊細に辿って時折甘く噛んだりしてみる。
「んっあ・・はあっ・・・あ・・・」
甘くしびれるような感覚にキラはのけぞる。しかし、やはり柔らかい愛撫だけで、熱は充分に集まっているのに一向に解放へは向かえない。
「あっ・・・イザークっ・・もうっ・・」
「キラ・・・・言ってみろ」
そこで囁く息さえもキラにとっては快感へと繋がって
「あっ・・・・・は・・ずるっい・・・」
「なぁ、言ってみろよ」
白液が零れ出した先をぺろりと舐める。
「ああっ・・・うっ・・もうっ・・イザーク・・」
「何だ?」
「・・・・・・・・・・焦らさないで・・・・・」
真っ赤になった顔で上目使いにそんなことを小声で言われたら、さすがのイザークも期待したとおりの答えではなくとも降参するしかなくて。
「ご要望のままに・・・」
舌を再び這わせて、今度は解放へと向かわすために先ほどよりも荒くしてキラと追い上げる。その巧みな舌使いにキラの意識はふわふわと快感を追うしかない。
「ああっ・・んぅ・・イザークっ・・イザークっ」
先を舌で抉られる。耐え切れない快感が押し寄せて_____意識が真っ白になる。
「あっ________っっ」
はあはあと息を肩でしていると、顔を上げたイザークが口を拭うのが見える。それがなんともいやらしくて、キラは真っ赤になる。
「んっ」
後口に異物感を感じてキラがうめく。
「久しぶりだから、キツイかもな・・・・」
イザークのその声が聞こえたかと思うと、キラはそこに濡れた感触を得た。
「えっちょっイザーク!!そっそんなところっやっ・・・・きっきたないってば!!」
「大丈夫だ。お前はどこもかしこも綺麗だからな。」
説得力が全くないそのセリフにキラが反論しようとする。しかし、ぬるりとした生温い感触にそれもかなわずにその感触に耐えるように唇を噛むしかなかった。
「・・・っ・・あ・・・」
大分ほぐれてくるとイザークは慎重にそこを傷つけないように指を滑り込ませる。それと同時にキラの表情もゆがみ、それを慰めるようにイザークはキラにキスをする。
「いっ・・・・あぅ・・・・」
「キラ・・・・・」
イザークの慰めにキラの身体の力もだんだん緩くなっていく。力を抜いたのを狙って指を推し進めて広げる。
「もう、いいかもな」
指を抜き取ると、イザークはキラを正面にしてそこに自身をあてがう。そうして身を進めた。
「ああっ・・んぅ・・んん・・・」
キラは顔を歪ませて苦しそうだ。やはり慣れていない身体にはキツイ。
イザークは気を紛らわすためにキラに深いキスを仕掛ける。
「んんっ・・・ふぅっ・・あっんん」
じんじんと熱が一点に集中する。自分の中に入ってくるイザークの熱さをダイレクトに感じる。否、熱いのは自分の方かもしれない。
そんなことをぼんやりと考えていると、奥まで収め終わったイザークが少し腰を動かした。
「あっ・・・・」
「最中になにぼんやりしているんだ?キラ?」
「うん・・・・・なんか熱が・・・・」
上手くまわらない頭でキラは考えていたことをそのまま言う。
「熱?なんだ、風邪でも・・・・?」
「ううん。熱が・・・・・混じって、同じ温度になるの・・・・・気持ちいいなぁって・・・」
そう言ってキラは微笑む。その笑顔を見てイザークは瞳を柔らかく細めて、キラにキスを送る。
「キラ・・・・____」
好きだと言ってしまいそうになって、言葉を飲み込む。不自然に切れた言葉の端をキラは不思議に思ってイザークを見詰める。
「・・・・もっと熱くしてやる。」
ごまかすために、にやりと笑ってイザークは腰を動かし始める。
「あっ・・・はっんあぅ!あっ・・あっ・・」
何もかも交じり合うように、キラはイザークに密着するように背中に回した腕に力を入れる。きつくイザークを抱きしめる。
熱を分け与えあって、同じ体温になって
輪郭なんて今はどうでもいい。
触れ合ったところから溶け合うのではないかと思えるほどに熱い。
輪郭は次第に薄れて、お互いの息遣いと心音と確かな熱だけを感じて
温かさを感じながら目が覚めた。隣を見ればそこには愛しい人がいて
その額にキスを落として髪を梳く。
銀色の瞳は言えない言葉を如実に表して
『好きだ』
戻れば、敵となり得るかもしれないのに・・・・・この感情は抑えるどころか次々あふれ出てくる。あいつのためにもここで冷たくした方があいつにとって後々楽になるのだと分かっている。
しかし、頭で理解するのと感情をコントロールするのは違う。
俺は・・・・こいつを離したくない。
側にいて笑っていて欲しい。否、側にいてくれるだけでいい。
しかし、それすらもこの状況下では許されない。
だから・・・・・・せめてこの瞬間だけは優しい時間を過ごさせてくれ・・・・
身勝手な願い・・・
でも、それでも俺は・・・・キラを・・・・
『好きだ』
だから、この言葉は言わない。縛ってしまうから。
迎えにきた、そのときにこそ_____
03.7.4.
あとがき
・・・・またアニメ妄想から発したネタです。35話のもしイザークも助けたとしたら・・・?(ああ、いつの間にか古いネタと化してしまった)
・・・甘甘はクリアできているでしょうか・・・・(汗・というかむしろ最初の方はちょっと痛い・・。)心がけて微糖ぐらいにはなったと思うのですが・・・(不安)しかも裏なのに最後まで・・・ごにょごにょ(汗)
これは一番初めに考えたネタとはかなり違うものとなりました。最初のものは二人が擦れ違うような痛い(?)話の展開になりそうだったので。(その話はまた今度機会があれば乗せようと思いますが。)
リクエストしてくださったのにこちらの事情で随分と遅れてしまったことをここでお詫びしたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。
麻生律さん。リクエストありがとうございましたvv