「〜〜〜気持ち悪い・・・・」

ぐらぐら風なのか波なのかによって揺れる艦内・・・耐えられない。頭がくらくらする。気分悪い・・・・海なんて・・・・大っ嫌いよ。



そこで思い出すのはキラとカガリのツーショット。

邪魔なのよ・・・・あの子・・・・・
後から来たくせに。

海なんて大っ嫌いよ。



揺れる揺れる揺れる




それは子供のような独占欲、離すまいと必死で縋りつくような思い。

独りに、しないで





もはや、ぐらぐら揺れるのが艦なのか自分なのかさえわからない。目の前がゆらゆら揺れる。揺れる。揺れる。暗転。















ふと、隣にいる慣れた気配に目が覚めた。

「大丈夫?」

自分の額に乗っていたタオルを冷やしてきたところらしい。
ひんやりした感触が気持ちいい。
満足げにだしたため息が聞こえたのか、目の前の彼は目を優しく細めて笑った。

「フレイ・・・・喉、渇かないかな?汗ずっとかいてるみたいだから。」
「少し・・・」
「じゃあ、すぐ持ってくるよ。待ってて。」

立ち上がりかけた彼が、中腰で止まった。
どうしたのだろうと目線の先を見れば、なんと自分が彼の服をつかんでいた。それに力は当然こもるはずもなく、気づかなければ振り払われていたそれ。

彼は、気づいた。

「・・・・・」

何を、言えばいいのだろう。無意識にやってしまったことに、理由はなく・・・
ただ、上を見上げると彼と目が合う。
何も言わずに微笑みかけてくれるその気遣いが嬉しい。
おそらく、自分は今捨てられた子犬のような目をしているのだろうから。

「じゃあ、飲みかけで少しぬるいけど、これでいい?」

何か置けるようにと窪みのあるそこにコップがあった。キラがずいぶん前にもってきたものらしく、水滴がコップの側面を覆いつくしていた。

「・・・・うん・・・」

そのコップをとって、フレイに飲ませようとする。が、少々余っている量が多くて、寝たままのフレイにこぼさずに飲むことはできなそうだ。
どうしようかと思案していると、フレイの言葉がかかった。

「・・・・・キラ、ちょうだい・・。」

口移しで・・・・・。その言葉に戸惑った末、キラは自分の口にドリンクを含むと、フレイの口に流し込む。

「・・・・・もっと。」

自分からこんなことをしたのが恥ずかしいのか、キラの頬は少し赤い。が、せがまれてやらないわけにもいかず、紅く染まった顔のまま、再びフレイに口付ける。
こくこくと飲みながら、フレイは目を開けてキラを見ていた。

伏せた瞳は意外に長いまつげで縁取られている。その奥の隠された瞳が見たいと思った。あの、深く澄んだ紫電の瞳。















「・・・・・・ありがとう・・」

ぽつりといった言葉は彼に届いたらしかった。
隣で本を読んでいた彼が目線を上げて、笑った。
慣れたその優しい笑みにふと泣きたくなる。

彼を憎んでいたはずなのに、利用してやると思っていたのに・・・・その優しさが心にしみる。辛いのは私だけじゃ、なかった。彼もまた、辛く、苦しい。

コーディネーターであるがゆえに、友人との関係に溝が入り、
コーディネーターであるがゆえに、友人と戦う。
彼もまた、孤独なのだ。

置いていかないで。
独りにしないで。
一緒にいたい。

シンクロした思い。
共鳴したからこそ、二人、ここにいる。

しかし、最近彼はその慰め合いを拒否するかのようだ。苦しいがゆえにつないでしまったもの。その意味のなさ、虚しさを感じたのかもしれない。
それでも、このぬくもりを感じていたいと、思う。

温かい。
まるでずっと一緒にいたみたいに懐かしく、安心できる気配。
近しい者。



側にいて欲しいと心から、願ってしまった。








あとがき

お〜い、サイどうしたよ?サイがキラの言葉にやっきになってストライク動かしたとき、「馬鹿」とか言って泣いていたのは君だよ。キラの弱さにつけこんだのも。まぁ、あのときのキラには何でもいいから支えてくれるものが必要だったのは認めるけど。フレイそのぶんでは役にたってたよ。しかし、フレイ、二等兵だけどなんもしてないよね・・・雑用さえも。最近フレイがいいよ。OPENINGがね。哀しい女の子好き。