『己の主だと認識させるには別に餌をやる必要はねぇ。
自分に従わせるように躾ければいいんだ。
大抵動物ってのは自分を養うもの達の力関係をそれこそ人間よりもきちんと読み取る。
人間の力関係の一番上にいる奴を自分の主人だと思うんだぞ。』
・・・・・・それってお前が一番の障害になってるってこと?
一生逆らえないであろう家庭教師を見ながら、そう思った。
じぶんをしゅじんだとにんしきさせましょう
「お手とかいいかもしれないって言ってたな〜武が。」
一応それも主人と認める証だから、覚えさせといて損はないだろう。
ツナはリボーンがライオンの赤ん坊をくれたときから、仕方なく世話をしてきた。それが功を奏してか、今ではツナになついている。
ツナは生まれて1ヶ月半くらいたったライオンを呼ぶと、いつも通りにライオンはツナの方へと寄ってきた。
それはけれど、まだ餌をくれる人、世話してる人、という認識しかないのだ。主人と認識はしていない。
その証拠にツナがお手をさせようとしても、じゃれついてきて、言うことを聞かない。
「十代目〜!餌買ってきました!」
「あ、切れそうだったんだっけ。ありがとう、隼人。」
「いえ、十代目のためならっ____」
リボーンさんに帰りにいわれまして、買ってきたんですよ。そんなことに気づかないなんて、俺もまだまだですよね、などと獄寺が言うが、ペットの餌は台所にしまってあり、そこを把握されているとなるとかなり複雑だと綱吉は思った。
しかし、獄寺ならやりかねない。
いや、いいから、別に。むしろそこまで把握しないで、と牽制しておいて、綱吉はまたライオンに向き直った。
「こら、お前、ちょっとはじっとしろ。」
だが、ライオンは数日ぶりに綱吉の膝に乗れたのが嬉しいのか、そのままじゃれついてくる。
リボーンがくるとおそらくは上下関係が分かってしまうだろうな、と危惧している綱吉としてはリボーンが帰ってくる前にお手くらいは覚えさせたかった。
普段の穏やかな雰囲気は残したまま、綱吉は目を鋭くさせて命令する。
「お手。」
そうすれば、その普段とは違う雰囲気に怯えたのか、おそるおそる乗るライオンの手。
その上に人の手。
部屋には二人しかいないのだから、その手の主は自然と知れるもの。
「・・・・・・何してるの、隼人。」
「いえ、つい・・・・・・」
あまりに威厳がありましたもので。
照れたように手を引っ込める獄寺に、そういえばこの人を抑えるのにも昔は随分苦労したな〜と思い出す。
中学時代の苦い思い出。
はは、と乾いた笑いをしながら、綱吉は自分の周りには猛獣が多いのではないかと改めて思った。
そして、意外にも猛獣の扱いに慣れているのかもしれない、と少し複雑な気分を味わうのだった。
05.7.23
あとがき
アルコバレーノ×ツナにするといっておきながら、何故かゴクツナめいたものを書いてしまった。
てか、ご主人というにはちょっとリボあれかな〜とおもって、それなら獄寺のが似合うよ、と書きました。
お手をする右腕が書きたかっただけ・笑。
短いな〜・・・・・・