「綱吉」
いつもと同じ声。
けれど今日は動かした頭の横をトンファーの先が過ぎていった。
あるていどのきけんをかくごしましょう
「最近退屈なんだよね」
「はぁ。」
距離をとっても、一瞬で間をつめるので、意味がない。
綱吉はわけのわからない雲雀の行動に混乱しながらも、必死に避けていく。
「リボーンも君が遠くに行かせたし。」
「まぁ。」
トンファーの切っ先が髪の毛の先を掠める。
ヒュン、という嫌な音が耳のすぐ横で聞こえ、綱吉は顔をゆがめた。
一体なんだって自分はこんなことになっているのか、と。
「君がボスなんだから、部下の調子の管理も君がするべきだろう。」
「へ?」
「だからお相手願ってるんだよ。」
「ちょちょっ待って下さい!!雲雀さんっっ」
慌てて顔面を狙ってきたトンファーを避けて、顔をのけぞらせて言ったとき、ついつい昔の呼び方になってしまう。
それに雲雀はつい、と片眉を上げて、低く言う。
「雲雀。」
「・・・・・・雲雀。」
(この人なんでさん付けして怒るんだよ〜わけわからない・・・・・・)
雲雀がだんだんと緩急をつけて攻撃をし始めるので、素手で避けるのも困難になり、綱吉はベルトの後ろに挟んだ鞭を取り出した。
そこで雲雀が楽しそうに笑ったのは決して錯覚ではないだろう。
綱吉はせっかくののんびりした時に___と思いながらも、半ば仕方ないとあきらめるのだった。
「そうそう、綱吉。僕を飼うならちゃんとそれなりのことを覚悟してもらわないと。」
「飼ってなんていないよ!!」
「ふぅん?」
「なんで含み笑いするんだ!!」
それから数時間、鞭とトンファーの攻防戦の音が屋敷内に響いていた。
05.8.11
あとがき
雲雀も猛獣だよね・・・・・・ネコ科っぽいし。
彼は普通にクールなのもいいが、何気に綱吉に名前呼び捨てにしてもらいたいとか思っていたりしたらカワイイ。